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TREND LONDON
最前線レポート W1

サメ、涙、奴隷…
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毎年秋から翌年の春にかけて、ターバイン・ホール にはサメや今にも沈没しそうな船に乗った男性などが
に設置されるアート・インスタレーション。今年は、 見られる。
米国を拠点に活動する芸術家カラ・ウォーカー（49） 同アーティストはこれまでにも人種問題や奴隷の歴
が選ばれた。 史に関する作品を発表しており、白い壁に黒い切り絵
彼女がテート・モダンに、そして英国に差し出した で物語を展開する手法が有名。それらは重いテーマを
作品は、「Fons Americanus」と名付けられた噴水。 扱いながらもどこか軽快な印象を与え、今回の作品も
バ ッ キ ン ガ ム 宮 殿 前 の モ ニ ュ メ ン ト「Victoria 寓話を表現したようで、重々しさは感じられず、実際、
Memorial」をモデルにして作られたものだが、大英帝 噴水の周辺で来館者が楽しそうに憩う様子が見られた。
国の栄華をたたえる代わりに、ヨーロッパとアフリカ 人類史上の汚点ともされる奴隷貿易。歴史を改めて見
大陸、アメリカ大陸を結んで行われ、大英帝国の繁栄 つめる良い機会といえそうだ。
の一翼を担った奴隷貿易に焦点を当てる。 （写真・文／西村千秋）
白一色で爽やかな雰囲気を漂わせる高さ 13 メート
ルのモニュメントに近づいてみると、頂上に据えられ Kara Walker: Fons Americanus
たヴィーナスは首に傷がついているのがわかる。周囲 5BUF .PEFSO
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には絞首刑に使われるようなロープ、何かを懇願する
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17 OCT 2019 / No 1108 22

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