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空港からハバナ市中心部までは約 25
                                            ㎞だ。そこを自転車で走る。キューバと
                                            のファーストタッチだ。目を引いたのは
                                            やはりクラシックカーだった。アメリカ
                                            の“正義”による経済封鎖が 1960 年から
                                            始まったため、特に車は目に見えて 1950
                                            年代で時間が止まっているのだ。
                                             近年、段階的に経済封鎖はゆるみ、海
                                            外製品がキューバにも入り始めた。クラ               ۭߓ͔Βࢢ಺ʹ޲͔͏్தͰݱΕֶͨߍ           ۭߓΛग़͙ͯ͢໨͕ϋʔτʹͳͬͨΫϥγοΫΧʔ
                        Ωϡʔό ฤ              シックカーはだいぶ減ったとも聞く。僕
                                            が慌ててキューバに向かったのはそのこ             蓄積されたものには色気がある。古い建              生服を着た黒人の子供たちの姿が、アフリ
                   ୈ    ࿩
                                            とと無縁ではない。                      物、古い道具、古い町、それらから漂う風             カにいた頃の気持ちを鮮烈によみがえら
                  ݹ͍ंͱֶߍ
                                             キューバ人にとって、経済が潤い、諸             情が、見る者を甘美な気持ちにさせる。そ             せた。世界一周の旅のあと、「どこが一番よ
                                            外国並みにモノが流通するのは、願っ              の風情が旅情を生む。いや、旅情そのもの             かった？」と多くの人から聞かれ、「一番は
                                            てもないことだろう。旅人は勝手だから、 といっていいのかもしれない。時間は、旅                        決められないけど」と僕はいつも前置き
                                            その彼らの願いが叶った社会は、つまら             だ。新興住宅地からは、旅情は感じづらい。 したが、頭の中には常にアフリカがあった。
                            United States   ないと感じる。貧しくて、素朴で、時間              噂どおり、クラシックカーはずいぶん               同時にキューバの学生たちの姿には何
                                            が止まっていて、クラシックカーだらけ             減ったのかもしれない。新しい車がたく              か非常に清々しいものを感じた。黒人も
                                            の社会を見たいと欲する。                   さん走っている。それでも全体の半分近              白人も等しくきれいな制服を着て、いか
                                   Brazil
                                             僕はモノにほとんど興味がなくて、男             くは、昔のアメリカ映画に登場する車の              にも清潔感があった。同様の光景はこれ
                                            の子の多くが好きな車にも子供時代から             ように、僕の目には映った。                   までも見てきたが、平等という空気をこ
                                            まったく関心を示さないどころか、エン              しかしまさか自分がこんなにクラシッ              んなにも強く感じたことはない。そうい
                                            ジン音がうるさい、空気を汚す、いい車に            クカーに反応するとは思わなかった。つ              う目で見るからかもしれないが、社会主
                                            乗ることがカッコいいとされる風潮がバ             いつい自転車をとめて写真を撮ってしま              義というシステムには美点もなくはない
                                            カバカしい、といった理由から、嫌悪すら            う。きりがない。                        のだ、と思った。
                                 ˔ੴాΏ͏͚͢ɿ
                                 ཱྀߦ࡞Ոɻ̓೥    していた。大学の卒論テーマは「車とゴミ             学校が見えてきた。中学校だろうか。下              キューバに来るにあたり、何冊も本を読
                                 ൒͔͚ͯࣗసं    の減量化対策」だから筋金入りだ。そん             校時間だったらしく、校舎から次々に子供             んだ。そこで仕入れた知識をこれから実
                                 ͰੈքҰपΛ׶
                                 ߦɻ̕ສ̑ઍΩ    な僕がクラシックカーの走り回るキュー             たちが出てくる。黒人も白人もいた。黒人             地検分していくわけだが、先に結論をいえ
                                 ϩɺ  ϱࠃΛ૸
                                 Γɺ     ೥ ຤  バの光景を見てテンションが跳ね上がっ            の子供たちの姿に、僕はどうしようもなく             ば、極貧国にもかかわらずストリートチル
                                 ʹؼࠃɻݱࡏ͸
               શࠃ֤஍Ͱߨԋ΋ߦ͏ɻஶॻʹʰߦ͔ͣʹࢮͶΔ       た。“光景”だけでなく、クラシックカー            惹かれた。郷愁のようなこの気持ちはなん             ドレンは実際見なかったし、自国の体制を
               ͔ʂʱʰ஍ਤΛഁͬͯߦͬͯ΍Εʂʱ΄͔ɻϒϩά΋ߋ    そのものにも目がハートになり、「カッ             だろう、と考えたとき、ああ、自分はやっぱ            批判する者でさえ、教育の機会均等につ
               ৽தˠʮੴాΏ͏͚͢ͷΤοηΠଂʯ
                                            ケー！」と胸の奥で何度も叫んだ。時間が            りアフリカが好きなんだな、と思った。学             いては賛辞を惜しまなかったのである。







































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                      経て輸送にいたるまで、常に徹底低温管理されています。                        契約農家産最高級こしひかり「彩錦」を是非ご堪能ください。



                      取扱日系小売店        Atari-Ya Finchley/Golders Green/Kingston/West Acton｜Cocoro Highgate｜Hello Kitchen｜Ichiba Westfield
                      （アルファベット順）     Japan Centre Panton Street｜Kantenya｜Kimura｜La Petite Poissonnerie｜Mikazukido｜Natural Natural Ealing/Finchley
                                     Rice Wine Shop｜Stanton House Hotel｜TK Trading

              11                  17 OCT 2019  /  No 1108





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