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キューバに着いた翌日、この日は1日、
                                            首都のハバナ観光にあてた。
                                             世界遺産の旧市街に行くと、昨晩の陰
                                            惨な印象からは打って変わって、豪奢で
                                            華やかな街並みが広がっていた。列柱に
                                            バルコニーに過剰なほどの装飾等々、そ
                                            れらをあしらったコロニアル建築が並ぶ
                                            様はまるでオペラのセットのようだった。
                                            かつてラテンアメリカで最も繁栄した都
                                                                                ϋόφچࢢ֗ʹలࣔ৔ͷΑ͏ʹ            Ωϡʔόਓ޲͚ͷళ͸؃൘͕ͳ͍͜ͱ͕ଟ͘ɺ
                        Ωϡʔό ฤ              市というのも頷ける。                        ͣΒΓͱฒͿϐΧϐΧͷΫϥγοΫΧʔ                 Θ͔ΓͮΒ͍͕ɺܹ҆
                                             海のほうに行くと、オッと目を見張っ
                   ୈ     ࿩
                                            た。クラシックカーがたくさん並んでい             だ。自ら行って本来の姿を見たいのだ。              は単なる民家だ。そういえば街全体を見
                  Ωϡʔόͷख৮Γ
                                            て、まるで展示場だ。古い車のはずなの              “クラシックカー展示場”を離れ、入り組            渡しても看板の類が少ない。店を探すの
                                            にどれも新車のように光っていた。《TAXI》         んだ路地を入っていく。広場に出た。レス             もひと苦労だ。そっか。競争社会がまだ成
                                            という札が貼られている。若い兄ちゃん             トランやカフェが広場を取り囲み、テラス             熟していないんだ。社会主義国家のキュー
                                            が「市内観光をしないか?」と声をかけ             席は白人観光客だらけだ。広場には様々              バが自営を一部認めたのは最近なのだ。
                            United States   てきた。どうやらピカピカのクラシック             なパフォーマーがいた。竹馬のようなもの              僕もピザを頼んだ。10 人民ペソ(約
                                            カーで市内をまわるのがハバナ観光の定             を足に付けて倍ぐらいの身長になり、サル             50 円)だ。
                                            番らしい。今ならインスタ映えなるもの             サに合わせて踊るグループがいる。極彩               キューバには2種類の通貨がある。国
                                   Brazil
                                            を目指す旅行者にうってつけなのだろう。 色の衣装に包まれ、笑顔で踊る彼らの姿                         民向けの人民ペソと、外国人向けの兌換
                                            でも僕は SNS にも車にも興味がない。古          はいかにもキューバだ。ほかにもたくさん             ペソだ。使える店も一応分かれている。
                                            い街並みの中を古い車が走っているシー             の演奏家が広場のあちこちで楽器を鳴ら              ただ、外国人でも国民向けの安い店を利
                                            ンが好きなだけで、高いお金を払って乗             していた。広場が音楽で沸き立っている。             用できるし、兌換ペソで払って、人民ペ
                                            りたいとは思わない。それに正直、新車             白人観光客たちも満足そうに眺めている。             ソでお釣りをもらうこともできる。もち
                                            のようなピカピカのクラシックカーには              そこを離れ、入り組んだ路地にどんど              ろんその人民ペソを使うこともできる。
                                 ˔ੴాΏ͏͚͢ɿ                                  ん入っていくと、下町情緒あふれる古び               焼きたてのピザを食べると、トマトと
                                 ཱྀߦ࡞Ոɻ̓೥    少しも惹かれなかった。生活感がないか
                                 ൒͔͚ͯࣗసं    らだ。観光客向けという点で、もうそれ             た地域に出た。                         チーズの香りが顔を包んだ。実にシンプ
                                 ͰੈքҰपΛ׶
                                 ߦɻ̕ສ̑ઍΩ    はこの町にとってリアルじゃない。その              1軒の家に人が群がり、みんな立ったま             ルな味だけど、うまい。ああ、なんかいい
                                 ϩɺ  ϱࠃΛ૸
                                 Γɺ     ೥ ຤  へんを走っているボロボロの車のほうが            ま何か食べている。背伸びして彼らの頭越             な。地元の人たちに交じって彼らと同じ
                                 ʹؼࠃɻݱࡏ͸                                   しに覗くと、家の窓際にコンロとフライパ             ように立ったまま同じものにかぶりつく。
               શࠃ֤஍Ͱߨԋ΋ߦ͏ɻஶॻʹʰߦ͔ͣʹࢮͶΔ       ずっとカッコいい。本物だからだ。ツアー
               ͔ʂʱʰ஍ਤΛഁͬͯߦͬͯ΍Εʂʱ΄͔ɻϒϩά΋ߋ    旅行が心底楽しめないのと似ている。“見            ンが置かれ、それで焼かれたピザが窓か              ここに来て初めて、キューバに直に手で
               ৽தˠʮੴాΏ͏͚͢ͷΤοηΠଂʯ
                                            せられている”状態では興が乗らないの             ら売られていた。でも看板はない。見た目             触れた気がした。これが心底楽しいのだ。







































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                      (アルファベット順)     Japan Centre Panton Street|Kantenya|Kimura|La Petite Poissonnerie|Mikazukido|Natural Natural Ealing/Finchley
                                     Rice Wine Shop|Stanton House Hotel|TK Trading

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